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看護学生の実態から|ナースアクション国会要請行動

2024年1月30日

千葉県・東葛看護専門学校 副学校長 山田かおる

 

(民医連・看護専門学校自治会の学生たちの動画を会場で配信 その後の発言)

 

今日は、学生自治会から「私達の現状と気持ちを国の皆さんに伝えてきてほしい」と託されて、この場に立っています。また、今日この場にいる看護教員を代表して、看護教教育現場のリアルをお伝えしたい思います。

 

実習中、家で実習記録を書けないと言い、車の中で手書きで書いていることを話してくれた学生がいました。母親が寝る時間に合わせて書き上げて、静かに家に入ります。夜電気を付けて息を潜めるようにして記録を書いていても、母親から寝れないと言われ、車の中で実習記録を書くようになったとのことでした。

 

学業にかかるお金は全てアルバイトで賄っていますが、その内容は夜間の仕事をする方たちの送迎です。当然、帰宅は深夜になります。身体は辛いけどそれを続ける理由は、時給が良いからです。

 

先週も実習が終了した週末には、一目散でバイトに向かったようでした。

 

患者さんの力になりたい。看護師になりたい。

 

彼女を支えているのは、その思いと、苦楽をともにする仲間たちの存在です。

 

またある1人の学生から声をかけられました。奨学生の内定通知が来て受理された報告と、奨学金制度を紹介した学校へのお礼でした。「受けられて安心しました」と。

 

物価高騰の中で働いても働いても、子どもたちの学費を準備するのは容易ではありません。親から、「奨学金を借りて自分の力で学業を成り立たせてほしい」と話されたとのことでした。しかし、なかなかそれを学校に相談することができませんでした。

 

奨学生申請が受理されて、久しぶりにこの学生の笑顔を見ました。経済的不安で気持ちが追い込まれていきます。親の狭間で、そして学費を払えない学校へのもうしわけなさで、表情は曇っていたことが打ち明けられてわかりました。 他にも授業料が支払えないもうしわけなさで、登校出来なくなった学生もいました。登校できなかった理由を、どうでも良くなってしまったと泣いていました。その学生を支えてのは、やはり一緒に学ぶ仲間たちでした。そして、仲間と一緒に看護師になりたいと話してくれました。

 

経済的困窮は、学ぶ機会を奪うだけでなく、それを発する言葉が奪われ、将来への希望が奪われ、そして自己を肯定することさえも奪います。

 

18歳人口が減少する中で、看護の道を選んでくれた学生たちが、経済的理由で夢を諦める社会にはしたくないです。この看護の道に希望をもって学んで欲しいと思います。

 

どうか諸外国のように高等教育無償化を、子どもの人数に関わらず学費の保障してください。子ども未来戦略という観点のみならず、憲法で保障された学習権という視点で、若者の夢を応援して下さい。

 

18歳人口は減少しています。一方高齢者人口の増加はまだまだ続きます。 看護職員は絶対的に必要です。看護学生が増えなければ、看護師が育成されないわけです。養成する看護専門学校は、学生の学納金と補助金しか収入はありません。学生の経済状況からすると、簡単に授業料を上げることは出来ません。どうか看護学校の補助金を充実させて下さい。そのことは看護師要請に直結します。 国民の命と健康を守る看護師が社会には必要であるという視点で、全看護学生を高等教育無償化の対象へという舵を切って頂けるように切に願います。

 

民医連は以下の要請書を提出しました

 

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掲載日:2024年1月30日/更新日:2024年2月9日