学生支援給付金と国試追試を求める文科省・厚労省リモート要請行動の概要報告

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    看護学生支援   
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    看護学生   

【日時】 2022年7月29日(金) 15時半~16時半 リモート傍聴者 約70人

【要請内容】要請書

1.「学生支援緊急給付金」について、今年度も制度の継続を求めます。すべての学生を支給対象者とすることを求めます。

2.医師・看護師など医療職の国家試験で、新型コロナウイルス感染となった場合に国の責任において追加試験の機会を認め、今から準備対応するよう求めます。また、移動による感染リスクを減らす上でも国家試験の会場を13 都道府県に限定せず、全都道府県に会場を設置することを求めます。

3.国の教育予算を増やし、学費無償化、補助金の拡充、給付型奨学金を創設し、お金の心配なく誰もが平等に学ぶことができる教育制度への転換を求めます。

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今期は6月に引き続く2回目(通算8回目)となる要請を行った。前段で要請内容の1と3に関して文科省と、後段で2の項目に関して厚労省との要請行動を行った。今回はこれまでとは異なり全国看護学生アンケート調査の内容や呼びかけ、対政府要請行動に向けた訴え方等の作戦会議にも当事者である学生(民医連看護学校学生自治会役員・クラス委員中心)にご協力いただきながら準備し取り組んで来た。アンケート調査には一ヶ月で千人を超える看学生の回答を得ることが出来、要請の冒頭で第一次〆切段階での「中間報告」を行い、実習などで多忙な学生は事前に自らの主張を録画して当日担当官に意見を伝える方法をとった。

1.アンケート調査報告

「2022年コロナ禍における全国看護学生アンケート調査結果~中間報告~」

コロナパンデミックは、看護職を目指す学生たちの生活と勉学環境にもより深刻な影響を及ぼしているのではないかと考え、全国実態調査を2020年、21年に実施した。今般第7波の中で3度目の調査を行い、7月20日第一次〆切時点での中間集計結果を報告した。

37都道府県1,012名の看護学生の回答を分析。①「奨学金」「貸付金」を受けている学生が7割を超え、「受けていない」学生もその内訳を見ると「本当は必要だった」が4割を超えており経済的支援無くしては日本の看護師等養成校では学べない。また、返済不安を感じている学生の割合は昨年よりも増加していた。②75%が経済的にゆとりがなく、衣料品を5割、食費は4割が節約と回答している。そのため7割以上がアルバイトをしており、1日平均4時間以上8時間未満が6割、8時間以上が5%、深夜勤務ありは2割で6%が常態化と回答している。ほとんどの看護学生が学業に専念出来ない状態にある。③更に、このアルバイトによる学業への支障ありが6割、うち「心に余裕がない」が3割以上、体調を崩している学生も少なくなく、看過できない状況にある事などを概説。経済的不安なく看護職を目指せる環境整備と、給付金の必要性を訴えた。

2.文科省への要請

1)看護学生の発言(部分)

『コロナ禍ですが、患者さんを通して学びたいと思い、実習のために感染対策に留意した生活や行動を自粛して頑張っています。私たちが頑張れるのは幼い頃からの夢、そして医療従事者が日々奮闘している姿に憧れを持ち、困難な中でも看護師となり臨床で働く姿を夢に描いているからこそ、今ある多くの課題に一生懸命取り組むことができます。看護学生と一般の学生さんとの大きな違いは、看護学生はカリキュラムの1/3が実習であることです。病院実習は感染リスクを避けるため、実習前より学校からアルバイトが禁止されるため、自分が目標としているアルバイト代が得られず、私も含め、多くの友人が、常にお金の心配と隣り合わせの不安な気持ちで学校生活を送っています。また、地方の看護学生は、自分の車で実習場に行かなければなりません。実習が始まると、普段よりも多くガソリンを入れなければならず、月のガソリン代だけでも通常の2倍の出費となっています。現在はガソリン代の高騰を受け、それ以上かかっています。入学した時からコロナ禍で、オンラインの回線料や自宅光熱費もばかになりません。第7波は、私たち看護学生の学校生活を、さらなる経済的な困窮とお金の心配が隣り合わせとなる状況に追い込んでいます。私たちには、昨年までと同じように学生支援給付金が必要です。』

 

2)文科省の回答

対応;文科省高等教育局学生・留学生課高等教育修学支援室企画調整係

 

「学生支援緊急給付金」について、今年度も制度の継続を求めます。そしてすべての学生を支給対象者とすることを求めます。

 

新型コロナウイルス感染症の影響によりアルバイト等が出来ず厳しい経済状況にある学生に対して、令和3年度補正予算において「学生等の学びを継続するための緊急給付金」を措置する対応を行い昨年度末まで支給して来た。現在新たな感染の波により緊急事態宣言の検討が必要ではないかとの専門家会合の意見も出されていると伺っているが、少なくとも現時点においては昨年度緊急給付金を支給した状況とは異なっていると認識している。現在文科省としては、家計が急変した学生に対しては「高等教育の修学支援新制度」によって授業料減免・貸与型奨学金支給を行っている。また新型コロナウイルス感染症の拡大により、アルバイト収入等が大幅に減少した学生等を対象とした緊急支援として一定期間、特別の貸与を行う「緊急特別無利子貸与型奨学金」を実施。また日本学生支援機構においても経済的困窮にある学生への食費の支援を行う大学に必要経費の助成を行っている。文科省としては経済的事由により就学を諦める学生が生じないよう引き続き要求を注視していきたい。

 

国の教育予算を増やし、学費無償化、補助金の拡充、給付型奨学金を創設し、お金の心配なく誰もが平等に学ぶことができる教育制度への転換を求めます。

 

 経済的理由で就学をあきらめることのないように学生をしっかりと支えていきたいと考えている。真に支援を必要とする学生に対しては令和4年度予算で財源を確保し、給付型奨学金59万人、学費減免59万人を実施する予定。それ以外の幅広い学生に対しても無利子貸与型奨学金50万人、有利子貸与型奨学金72万人分を予定。返還時においても所得に連動した返還や返済額の減額も実施している。また「高等教育の修学支援新制度」の対象ではない中間所得層に対して「教育未来創造会議」(内閣官房)が提言している負担軽減の必要性の高い多子世帯や農学系、理工系で学ぶ学生に対しての支援を今まさに検討している。文科省としてはこうした点を踏まえつつ併せて学生の声も参考にしながら学ぶ環境を整備する為引き続き財源の確保に努めていきたい。

 

3)看護学校教職員から(札幌看護専門学校事務長)~文科省の回答を受けて

文科省も資料として開示している通り、日本がOECD諸国の中で高学費・低補償の国として位置づけられ教育への公的財政支出が極めて低い事、国際人権A規約の高等教育無償化を日本も批准しており履行する義務があることなどを発言した。

3.厚労省への要請

1)①看護学生の発言(部分)

『私は、新型コロナウイルス感染症の流行とともに看護学校へ入学しました。入学式は挙行されず、約2ヶ月の間、新しい仲間との交流を果たせないまま、右も左も分からない授業をオンラインで受けました。対面での授業が始まっても、感染対策の為、仲間との距離を取らなければならなかったり、遊ぶ予定も最小限にしたりと、なかなか距離が縮まらないことにもどかしさを感じていました。しかし、制限された時間の中でも授業の内容をみんなで深め合ったり、実習での苦楽を分かち合ったりしながら、今日まで仲間との絆を深めることができました。思い描いていた学校生活ではない部分もありますが、コロナ禍で出会った仲間であるからこそ、助け合いの精神はとても強いものであると感じています。そんな私たちも来年には国家試験が控えています。今年の夏休みは、休暇を取ることなく国家試験対策の補講やゼミを受け、国家試験の準備に挑む予定です。また、秋からは終盤となるいくつもの実習を乗り越え、看護師になるために万全の体制で挑む覚悟でいます。

しかし、現在の日本は第7波といわれる程感染状況が急速に拡大しており、いつ誰が感染してもおかしくない状況であるといえます。日々感染しないよう対策はしているものの、仮に感染した場合、国試の追試がなく1年後に延期になってしまうのは、これまでの努力が水の泡になってしまう気がしてしまいます。コロナ禍3年目を迎え、追試の準備がされていないことに疑問を持っているのは私だけではないと思います。その為、国家試験を受けるチャンスを増やしてほしいと心から願っています。』

 

1)②看護学校教職員の発言(近畿高等看護専門学校副学校長)

先週の感染者数は世界最多になりました。急速に広がった第7波では、医療従事者自身の感染や濃厚接触者により各事業所の欠勤者は増える一方です。度重なる感染拡大の山に、医療従事者たちは疲弊しきっています。私たちはこの2年間看護師国家試験の追試験をお願いしてまいりました。2月の試験では、濃厚接触者の別室受験を対応していただきありがとうございました。しかしコロナ感染症による欠席は、従来の心身の不良と同じ理由なのでしょうか。今年の国家試験実施後に、看護系大学や日本看護学校協議会の調査では、12人の受験生がコロナ感染症のため欠席と報告されました。また、受験料返還申請は看護師14人とお聞きしています。専門学校の今年の3年生は入学後すぐに2カ月近くの休校、コロナ禍で臨地実習が中止となり、学内で学んできた多くの技術を患者さんに実施することできずに卒業していきます。そのような状況を踏まえて、この2年間、臨床では、新人教育を見直し対応してきました。メンタルケアも行い、退職に繋がらない努力をしています。疲弊しきった医療現場に立つ新人を含めた看護師たちは体調が悪くても報告することができずに働き、感染が発覚したケースもあります。患者さんの最も身近でケアする看護師は、自分自身が感染者になる危険と患者に感染させるかもしれない状況で働いています。看護師国家試験は、看護師が対象者の命を預かる責任として行われます。合格点に届かないことはその責任は果たせる知識を伴っていないと判断された結果です。しかし、厳しいカリキュラムの3年、4年間を歩んできて、いつ誰が罹患してもおかしくない状況下の中で感染してしまったから、受験できず、内定も取り消されることはあまりにも悲しいことです。コロナ禍3回目の来年の国家試験が、どのような状況にあるのか想像もできません。私は医療安全の講義で不測の事態考えて対応を考えておくことが私たち医療従事者の仕事であると学生に伝えています。短時間で問題の作成は困難と回答がありましたが、今が不測の事態であり、1人でも追試験が行われる状況ではないでしょうか。ぜひ、看護師国家試験追試験を強く要望します。

 

2)厚労省の回答

対応; 厚労省医政局医事課試験免許室

医師・看護師など医療職の国家試験で、新型コロナウイルス感染となった場合に国の責任において追加試験の機会を認め、今から準備対応するよう求めます。また、移動による感染リスクを減らす上でも国家試験の会場を13 都道府県に限定せず、全都道府県に会場を設置することを求めます。

 

 国家資格免許試験であり、医師であれば臨床医等100人が8か月かけて試験問題をつくっており、同等の質を担保する問題を準備する事は困難。体調不良を理由とした欠席者への追試はこれまでも行っていない。令和4年度試験において発熱者や無症状の濃厚接触者への受験が可能なよう特例的対応は行ってきた。会場については例年多数の国家試験が重なる時期であり厳正的かつ効率的公正的に試験を行うために会場は一定程度絞る必要がありご理解いただきたい。

 

3)看護学校教職員から(共立高等看護学院事務長)~厚労省の回答を受けて

一昨年から毎年要請しているが同じ回答でたいへん残念。繰り返し話してきているが2014年大雪の際には看護師国家試験の追試が実施されており、今から準備すれば充分間に合う。感染しないように学生もご家族も一体となって努力しているが、罹患しないという保証はどこにも無い。災害という扱いで是非対応していただきたい。

 

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以上

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